はろー!
現役Webディレクターのふじーです。
自分が異業種から転職してきたから余計に感じるのかもしれませんが、
Web業界で当たり前のことでも、一般の方は知らないこと、
あると思います!
今回は、Webサイト制作会社に勤める者の視点から、
よいWebサイト制作会社って何なのか、
そして、どのようによい制作会社を選んでいけばいいのか、
私個人の考えになりますが、お伝えしたいと思います。
もちろん、この基準が全てのケースに当てはまるわけではないですし、
そもそも、もう間違いなくお前、それできてんの?
という壮大なセルフブーメランになるのですが、
業界内にいる人間こそ理想の制作会社像を持つべき!と思うので、言語化しちゃいました!
よい制作会社とは何か?
クライアント対応
まずは、心構え的なところから行きます!
技術が高くても、お客様に伝わらなかったらダメだと思うので、1番大事!と個人的には思ってます。
サイト制作の目的からヒアリングしてくれる
サイト制作の目的は、クライアント様の中にすでにあるのがベストだと思います。
でも、個人事業の方であれば一存で決められるかと思うのですが、
会社の場合は部門間で重視したいポイントが違ったり、意見がまとまらないこともよくあると思うんですね。
そんな状況でも、しっかりとヒアリングして、
糸を解きほぐすように情報を整理し、目的、サイトコンセプトを導き出せる事業者は強いと思います。
そのためには、打ち合わせの際にサイト制作に至った背景まではご説明いただけると非常にありがたいです!
クライアントのIT知識に合わせて対応してくれる
世代やお客様の業務内容によって、IT関連の知識は本当に様々だと思います。
違って当然だと自分は思ってます。
全てをリテラシーの高い方に合わせちゃうのもダメだし、
逆に知識お持ちの方に基礎から説明してしまうと、
限られた時間で深い話ができないので、もったいないとも感じます。
なかなか難しいのですが、お客様に合った対応ができるところが、ベストだと思います。
ITツールで共有して進めていくのは便利ですが、
やはり図示、画面を見ながら電話での対応、訪問なども大切。
表情や声の情報量は桁違いに多いです。
当たり前のことですが、
IT関連の知識量が違うからといって偉そうにせず、
聴きやすい、頼みやすい、雰囲気があることは大事です。
デザイン関連
ここからは、技術的な話に入っていきます。
専門用語も出てきてややこしいですが、
制作会社との打ち合わせの時にクライアントから確認しておくと便利なことばかりですので、
読んでみてください。
デザイン提出時に必ずデザイン意図を説明してくれる
デザインを提出する時、根拠を説明してくれる会社がいいと思います。
デザインの良し悪しって判断しづらいですよね。
一例ですが、
「打ち合わせの内容から、お問い合わせを増やしたいとのことだったので、
お問い合わせへのバナーを固定し、全ページ同じ箇所に表示されるようにしました。
背景と判別しやすい色味にしております。
スマホの時も押しやすいサイズ感にしております」
みたいな、恐らくほとんどのデザイナーさんが頭の中で考えていることを
言語化してくれると見るべきポイントがわかりやすくなると思います。
意図説明を考えるのはWebディレクターの役目でもありますね!
デザインや仮環境の確認方法は事前に擦り合わせする
デザインは重たい画像データなので、メールで送信すると容量オーバーで弾かれたりすることもあります。
うちではInVisionやXDを使ってオンラインで共有することも多いです。
でも、プラスで打ち合わせがあった方がスムーズに進むことも多いと思います。
このあたりは事前に擦り合わせしてくれる会社が安心です。
仮環境とは、言葉自体聞きなれないと思いますが、
サイト公開前にパスワード設定などをして、関係者のみが閲覧できるサイトを作成します。
そのサイトのことを仮環境やステージ環境などと呼んでいます。
仮環境で
リンクやアニメーションの動きが想定通りか、
投稿はできるか、
フォームは動いているかなどを全て確認してから
本番サイトを公開します。
その際に、クライアントからも修正指示をいただくのですが、
修正記入用のフォーマットが整っていないと、修正点を共有するのが難しいです。
どのようなやり取りを想定しているのか、必ず確認した方がいいポイントです。
サーバー関連
サーバー周りは、
サイトの維持費、将来またリニューアルしたくなったときにも関係する重要なポイントです。
下記の2点は確認しておくと安心です。
・サーバー、ドメインなどのアカウントを貴社専用に取得してくれる
・サーバー、ドメインなどのアカウントを貴社に共有してくれる(かつ制作会社でも管理している)
サーバー、ドメインのアカウントをもし制作会社が持っていた場合、
サイトの維持費を制作会社に支払い続ける可能性も発生します。
もちろん、維持費はかかるけれども、
サイトの保守、更新など継続的なサポートも合わせてやってくれるビジネスモデルもあるので、
納得のうえでの契約であれば問題ないのですが、
サイト制作後は自分たちで運営していく予定の場合は、特に確認すべきポイントです。
場合によっては、サーバー会社に支払うサーバー使用量の実費より、
かなり上乗せされた金額を支払い続ける契約になっていることも…
また、サーバーの管理画面へのログイン情報がわからなくなってしまい、
そのまま制作会社が廃業してしまうなどの理由で、サーバー管理画面にログインできない…
などの事態が発生することもあるので、サーバーやドメインの管理画面ログイン情報は必ず自社で管理することをお勧めします。
そのうえで(当然のことですが)、もし何かあったときに、しっかり顧客情報管理してくれている制作会社を選ぶと安心です。
メール、通信関連
このあたりの話は少しややこしいので、伝えられるか自信がないのですが、
書いていきます。
WebサイトのURLと同じドメイン(このサイトであればlivelikeatraveler.comの部分)を
企業のメールアドレスとしても使われている場合もあると思います。
例えば、contact@livelikeatraveler.comというようなアドレスです。
社員のメールアドレスが○○@livelikeatraveler.comになっている場合も多いと思います。
そのような場合、
サイトリニューアルに伴いサーバーの変更をしたときは、
メールサーバーの切替についても考えないといけません。
(メールサーバーは切り替えせずに、ドメイン、ネームサーバーの設定変更などで対応することもできます)
Webサイトのリニューアルが、クライアントの通信の仕組みに影響を与えることもよく理解し、
対応したり、逆にクライアント側で何をすべきかしっかりと指示できる事業者が安心です。
私も最初知った時は
「え!サイトのリニューアルってメールのことも考えないといけないの!?」
って衝撃でした(笑)
見積、金額関連
ウェブサイト制作費用は基本的には人件費です。
そのため、本当のことをいうと制作が終わってみるまで費用はわからないんですね。
でも、もちろん、そんなことを言われても困りますよね!
ということで、制作に入る前に総額の制作費用を明示
してくれる制作会社が安心だと思います。
当然ですが、事前に見積もりを出せるということは、ページごと、機能ごとの制作にかかる工数を把握しているということ。
制作体制が安定しているということです。
加えて、見積の内訳を提示してくれるか、というポイントも確認しましょう。
ウェブサイト制作一式に対する見積もりになっている場合は要注意です。
制作過程でページ追加、機能追加になったり、
逆に削る部分が出てくることもあります。
その際に、納得感のある価格交渉ができるように、
何にいくらかかっているか、わかる見積書をもらったほうがよいと思います。
スケジュール関連
スケジュールの精度もよい制作会社を見分けるポイントだと思います。
まず、納期までの項目別のスケジュールを見積提出時に提示
してくれる制作会社が安心です。
「納期に絶対間に合わせます」というところよりも
各工程にかかる期間を見せながら、現実的な公開日を提示できる会社の方が結局は安全なのかなと。
そのうえでクライアントの希望も聞きつつ、キャンペーンページのみ先行公開するなど、
臨機応変に対応できるといいと思います。
スケジュールの中にチェックバック/修正期間を取っていることも重要です。
例えばデザイン⇨コーディング
というようなスケジュールではなく、
デザイン⇨クライアント確認⇨修正⇨クライアント再確認⇨デザイン校了⇨コーディング
というような形です。
全て一発OKということはまずないので、修正期間は必須です。
ちなみにうちではasanaというWebサービスを使って、スケジュール・タスク管理しています。
スケジュールは、大抵開始時とは変わってくるので、ディレクターは遅れないようにするだけじゃなくて、
遅れたらスケジュールを再度作成してクライアントとも合意を取らないといけないんですが…なかなか難しく、自分の課題だなぁ。
SEO関連
インターネット検索結果でWebサイトを上位表示させたり、より多く露出するための一連の取り組みのことを「SEO」と呼びます。
単に上位表示させるだけでなく、そもそも狙うべきキーワードから考えていく必要があります。
そこで、確認すべき点は下記の3つ。
リスクの高いSEO手法に頼っていない
ブラックハットSEOとも呼ばれるリスクの高いSEOに頼っていない会社がいいと思います。
ブラックハットSEOとは、Googleが定めるガイドラインに反し、アルゴリズムの穴を突いて不正に検索順位を上昇させるための手法を指します。
検索エンジンの精度が低かった時代は、今でいうブラックハットSEOが、おおっぴらに行われており、一定の効果もあったようなのですが、
検索エンジンの改良が進んだ現在はそれらの手法のほとんどが無効化、あるいはペナルティの対象となりました。
具体的な手法でいうと、自分でたくさんのサイトを作って対象サイトにリンクさせる自作自演リンクなどがあります。
参考:https://ferret-plus.com/curriculums/1924
今は逆に、「この手法で絶対上位表示されます」と確約することが難しくなってきており、確約できる制作会社には少し違和感を感じます。
もちろん、SEOを考えて不利にならないサイト構造にするなどは各事業者行なっているのですが…。
「検索結果上位表示」を言い切る制作会社さんには、どのような手法で行うのか確認してみましょう。
公開だけでなく、サイトが検索エンジンにインデックスされたことを確認してくれる
サイトを公開するだけでは、検索エンジンに認識されていないことがあります。
初歩的なミスですが、
例えば、制作時はサイト側で検索エンジンに認識させない設定をしており、それをオフにするのを忘れていたなどもありえます。
Googleへのサイトマップ送信を行い、サイトがインデックスされていることを確認するところまで、しっかりやってくれる制作会社がいいと思います。
クライアントも制作会社も対象のサイトはお気に入りに登録していて、検索にかかっていないことに誰も気づかない、なんて落とし穴もあります。
リニューアル時に検索順位の引き継ぎをしてくれる
サイトをリニューアルすると、TOPページのURLは同じだったとしても、
多くの場合、下層ページのURLは変わります。
「URLが変わったよ、今後はこっちのページを検索結果に出してね」
ということを検索エンジンに伝えておかないと、サイトの閲覧数が大幅に落ちてしまうこともあります。
検索エンジンに伝えるために
301リダイレクトという設定をするのですが、
見積もりに含まれているのか、ページごとに追加料金になるのか、など確認しておくと安心です。
制作会社の見極め方
ここまで、よい制作会社の定義を書いてきましたが、見極め方もなかなか難しいですよね。
個人的には
初回打ち合わせのタイミングで
ここまでで紹介したポイントをよく確認することかなぁと思います。
初回打ち合わせとは、多くの制作会社が設定している見積もり提出前の打ち合わせです。
手間にはなりますが、初回打ち合わせまでに、最低でも下記3つは準備しておくと安心ですよ。
・サイト制作(リニューアル)を検討し始めた背景の説明
・サイト制作に使える予算を把握
・サイト公開時期を決めておく
また、制作事例からわかることも多いです。
まずは制作事例を公開しており、定期的に更新している制作会社は、やはり安心感があります。
実績が公開できるのは、作ったものに自信がある証です。
クライアントから直受けで制作する案件が多いなど、実績を公開しやすい体制が整っているのかもしれません。
行政案件、上場企業案件などの制作実績がある制作会社は、見積もりの内訳や納品後の操作マニュアル、ドキュメント管理がしっかりしていることが多いと思います。
行政や大規模な企業の場合は、そういった書類の提出が求められますので。
あと、事例サイトで見るべきところは、
テキストであるべきところが画像になっていないか、とかですかねぇ。
わかりづらいと思いますので、例を挙げると、上の「あああ」はテキストですが、
下の「あああ」は画像です。
あああ
下のように、画像の中に文字が入っている状態だと検索エンジンには文字として認識されていない場合があります。
(alt属性をつけるなどで対応している場合もあるかもしれませんが)
最近のサイトではあまりないことかもしれませんが、リニューアル前のサイトを見せていただいた時に、
見出し部分や背景に画像を敷いている部分の文字が画像になっていることも結構見受けられるので書いてみました。
ということで、制作会社を選ぶ際には、事例は必ず見た方がいいですね。
まとめ
いやーーーー、自分もできてないところ、めっちゃあるー(泣)
書いてて震えてきました(ブラックなこととかはしてないですがw)
いや、お前が一番できてねぇよって何回思ったか、わからん(泣)
ということで、悶絶しながらも、
今後は時々、掲げた理想を振り返りつつ、仕事をしていきたいです。